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ファイナルファンタジー10-2
ゲーム ファイナルファンタジー10-2 プロローグ
Prologue



  まだ暗い空で、『シン』が大きな花のように散って。
祈り子様の夢――召喚獣たちも空高く昇りながら消えていって。
そしてキミは、召喚士の覚悟を追い越して……。
夢のザナルカンドがなくなると、自分がどうなってしまうのかを知っていて、
それでも私に力を貸してくれたキミが、
朝焼けの中に溶けていった日――。

2年前、永遠に続くナギ節が始まったあの時から、
私の時間は止まってしまっていた。


千年続いた"死"の螺旋から外れて、
スピラのみんなはずっと続く明日を信じられるようになった。
突然、愛する人や親友が奪われたり、自分自身の人生が途切れてしまう――
そんな日常から解放されたみんなの表情は明るい。
あちこちにはびこっていた影が消えて、世界は色鮮やかになったような気がする。
ビサイドも、そう。私を育ててくれた島の誰もが楽しそうで、
それをこの目で、生きて見ることのできた私は幸せだと思う。

だけど――。

生活の根幹をおびやかしていた『シン』がいなくなって、
世の中はどんどん変わり始めた。
めまいがしそうなほどの速さで。
寺院に敬意を払わない人も多くなったし、祈り子様が深い眠りに就いて、
誰かが、新しく召喚士になることもできなくなった。
もし、できたとしても、目指す人は少ないだろうな。
だって『シン』を倒すっていう目的は、今はもうないんだから。
あんまり自由になりすぎたせいで、
生きることそのものの目的を失った人も少なくないみたい。
長く信じてきた教えを捨てられない人は、
ベベルを中心に改めて組織された"新エボン党"に心の支えを求めているし、
解散した討伐隊の人たちは"青年同盟"っていうグループを結成して、
スピラの古いしがらみを取り払うことに情熱を注いでいる。

世界はものすごい勢いで変わっていく。
きっかけを作ったのは私たち。
自由だけど、流れに置いていかれそうなスピラで、
誰もが懸命に新しい自分を探している。

そして、私は――。

ずっと立ち止まっていた。
大召喚士になった私に会いたいって、
毎日誰かがビサイドを訪れてくる。
一日にお話しできる人数は限られているから、
ずいぶん先まで予約が入って、
順番がくるのを楽しみに待ってくれているお年寄りもいる。
だから島を離れること、できなかったんだ。
ううん。そのせいだけじゃ、たぶんない。
私はただ、キミを待ち続けていたんだ。
初めてキミと出会ったこの島で。
キミが溶けていった空と海を見つめて、
キミが教えてくれた指笛を吹き続けて――。
指笛は、良く響く音が出せるようになった。
キミが海から帰ってくるのを見つけられるように、
水に潜っていられる時間もずいぶん伸びたよ。
でもね、それだけだったんだ。待っていただけ。
キミが私のところに戻ってきてくれないと、
何も始められないって思ってた。
キミがいなくなって、私自身も目的を失っていたんだ……。


旅立ちのきっかけは、
キマリが見つけたスフィアを、リュックが届けてくれたこと。
そこには、キミに似た姿が映っていた。
キミとしか思えないくらい、声まで似てて……
でも、どこか今のスピラとは違う世界のようにも見えた。
キミかも知れないし、全然違う人かもしれない。
もしかしたら、遠い過去の映像なのかも……それでも私、
自分で動いてみようって思った。
変わらずに溜まっているのはやめて、
キミにつながっているかどうか、
自分から手がかりを追いかけてみようって。

2年が経って、私はあの時のキミより年上になった。
なのに中身が成長してないんじゃ、再会できても、
きっとキミをがっかりさせちゃうよね。
スピラのことを何も知らなかったキミが、
『シン』と戦う私の覚悟をいつの間にか追い越していったように、
今度は私が抜き返してみたい。
「変わった?」ってキミに驚かれるくらいに。

目的が生まれて、スフィアハンターになって。
止まっていた私の時間が、やっと、動き始める――。
情報提供元:FF攻略の理

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